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2011.09.17 心が開く音 (フォトエッセイ第8話)
すいませんが5~7話を省きます。…シンがいじいじしてるから(笑)
その代わりではありませんが、今回から画像復活。やっぱりあった方が分かりやすいし、何より「フォトエッセイ」だし(笑)

sin9-1.jpg

お祖父さんに怒られるかと心配で、昨夜しばらくお前の家の門の前をうろうろした。
幸い何の音も聞こえてこなかったから、安心したが
一晩中頭をかきまわしていた考えのせいで、朝早く目が覚めた。

例え大声を出さなくても、お祖父さんの迫力は半端ないのに
小言を長々聞かされてるんじゃないか?
公演に参加できなくなったらどうしよう。
妙に心配だった。

自分がしでかした事に責任をとるという気持ちもあったが
やけにお前が気にかかる。

今日の朝陽が用心深くお前の家の前を照らす。

俺の気持ちのように…


“腹は立ててらっしゃったけど…お祖父さんには怒られなかった”

良かった。
すごく怒られたのでなくて…

実は今日は午前中授業もなかったけど、お前が心配で家を出てきたんだ。

何のせいかは分からないけどお前がやたらに気にかかる。

冗談だとしてもジョンヒョンがお前を南瓜と呼ぶのもイヤだし
お前が心を痛めるような事が起きるのもイヤだ。

そんなふうにそわそわしてお前を待っていたのに

“昨日はありがとう。おかげでオーディションちゃんと受けられた”と言うわりに“私先に行くから”と、よそよそしい顔で背を向けて行ってしまった。

なんだか少し寂しい。
本当に気持ちにかたがついたのだろうか。
本当にお前はもう俺を好きじゃないんだろうか。
美味しいお菓子をとられたみたいに、物足りない気持ちになった。
何も言わず後を行くと、着いてくるのかと訊く。

“昨日自転車置いてきたじゃないか。誰かのせいで!!”

怒ったように言ったけれど、実は自分でも何故そうしたのかよく分からない。
自転車を学校に置いてくるしか。

ただお前と一緒に並んで歩いて、
バスに一緒に乗る今日の朝陽が、他の日よりももっと眩しいのをどうしろって。



sin9-2.jpg

ギュウォンについて良い記事が出たから、おめでとうと言ってやりたかったのに、ちょうど下りてきたギュウォンの顔が見えた。

よほど強く決心したのか、こちらを見もせずにただ行ってしまう。
寂しい気持ちが急に、夕立のように降りそそいだ。

“挨拶くらいしろよ。今日の練習どうするんだよ”

そう言うと、今日は練習もしないという。

俺が骨を折ってお祖父さんから逃れて出られるようにしてやって、オーディションを受けたことで、ギュウォンに対する良い評価が出て、自分のことのように気分が良かったのに、
人の気も知らないで、サッと冷たい風を吹かせるアイツが憎たらしい。

急に湧き出した怒りのせいで、また無駄に冷たく責めるようなことを言ってしまった。

“そうか、そうしろ。どのみち大して期待もしてなかったからな。俺1人でなんとかする”

何故練習ができないのか理由も聞かずに怒ってばかりいると、逆にギュウォンが怒った。

どうしてこんなにお前のちょっとした言葉に、お前の何気ない行動に腹が立つのか。
もしかしたら、これ以上俺を好きではいないという、こいつの言葉が怖いんじゃないんだろうか。

痛む傷に塩でも塗ったかのように、冷たいギュウォンの言葉にしきりに腹が立つ。

本当にお前を失うかもと、怖がっているようだ。

それなのにどうしてお前を捕まえられないのか、自分でも分からない。



sin9-3.jpg

教授が風花の公演を手伝ってやれとおっしゃるので
さっき昼間に喧嘩した気まずさを無くしがてら、進んで着いて行った。

おばあさん、おじいさん達が喜ぶ音楽を聞かせてあげて、一緒に踊って歌うギュウォンの姿がきれいに見える。そこまでは良かったが
突然おばあさんたちが俺の手を掴んで引っ張った。
ハンサムな若者だと、手をつないでくれとおっしゃるので、おばあさん達と一緒に踊りまで踊った。
俺の人気はまったく仕方ないな。くくく。

一度もしたことがなくて弱ったけれど、何か良いことに参加したようで気分が良かった。

まったく。イ・ギュウォン…
ご老人達がくださる酒をいちいちありがたく頂くから
酒に酔ってこっくりこっくり居眠りしている。
バス停でも階段でもどこでも良く寝る奴だ。

そこへきて酒癖まで悪い。

“イ・シン?私が好きなイ・シンだ。
イ・シン、この憎たらしい奴!!誰が南瓜だって”

酔ってる間の本音なのか、南瓜ってのが気にかかってたみたいだ。
ジョンヒョンにやめろと言って良かった。

イ・シン、イ・シン。
俺の名前を呼びながら、吐き出されるお前の心の中の言葉達が、小さな落書きになって俺の心の中に、少しずつ少しずつ積もった。

ずっとずっと
残っていればいい。

お前の心の中に俺が…


sin9-4.jpg

“自分が忘れろって言ったのに、なんで目の前やたらうろつくのよ!”

忘れろと言ったのに、やたらにうろつくと言う。
やっぱりまだ完全に心の整理がついたわけじゃなかったんだ。

良かったと思う気持ちが、今までの寂しかった気持ちを溶かした。

そうだったのか。
そうだよな。

お前も自分の気持ちを把握するのが大変なんだな。
そうだったんだ。
お前のそんなところが俺にとってどんなに慰めになるのか知ってるか?イ・ギュウォン。

広い世間に俺一人、愛も失って父さんも失って
惨めに捨てられたみたいで苦しくて
生きるってことが、穴が沢山あいた服を着ているみたいに虚しくて恥ずかしい時、
俺を見てくれるお前がいると言う事実だけで、肩に力が入って
背筋が伸びる気分だった。

“酔っぱらい”

ぶつぶつと言ってみたが、酒を飲んで伸びたお前をおんぶするのが俺で良かった。
お前にしてやれることがあって良かった。



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“誕生日おめでとう!”

前以て知ってればプレゼントでも用意したのに
急に参加することになったギュウォンの誕生日パーティに戸惑った。
申し訳ない気持ちで、混ざることも出来ずに決まりが悪かったから1人で後ろの方にいたが、
俺の方に来て、冗談を言ってくれて一緒に跳ねて笑わせくれるお前が、本当にありがたかった。

イ・ギュウォン、誕生日おめでとうという言葉の後にお前があんなふうに階段を転がり落ちた時、
あの動揺をどう表現したらいいのか。

何段もない階段が険しい断崖絶壁にでもなったかのように怖かった。
どうかお前が無事であるように願いながら、そばに駆け寄った瞬間が
もしかしたら永遠に来ないのかのように長かった。

大した怪我じゃないし大丈夫だから病院に来ないでと言われても、
俺は行きたい。

お前は知らない俺の気持ちが、俺の足をお前の方にばかり向かわせる。
国楽の勉強を口実にお前と向かい合って座って
ぶつぶつと説明をするお前の姿を見るのが、俺にとっては温かい水の中に体を横たえたように、楽で温かいんだ。

分からないふりで、お前の説明が退屈だと嘘をついても、気がつかないで
マヌケ…

キム監督の言葉のようにお前は人を武装解除させる力があるようだ。
適度に温かく、適度に隙があって
そんなお前がどんどん好きになる。

お前は俺から逃げ続けようとするが、
俺の気持ちはだんだんお前へと逃げていく。

どうすればいいのか方法が分からない。


sin9-6.jpg

うわ。ギュウォンの病室に友達が来た。
そういえば友達のことを考えてなかった。

ジュニの奴、1人で来くるなんてセコいと文句を言う。
国楽の勉強をしに来たと言い繕ったが、なんだか気持ちがバレたみたいで気恥ずかしかった。

思ってみれば友達のことを考えてなかった。
一緒に行こうとと言うべきだったのに
ただギュウォンに早く会わなくては、という気持ちしかなくて、授業が終わってすぐ1人で病院に駆けつけてしまった。

他に何も考えないほど、ギュウォンの怪我がショックだったのか?

最近俺の世界はギュウォンと自分だけがいるかのようだ。

キム監督がギュウォンのことをしきりに気にかけるのも気に入らないし、
2人きりでいたいと、いつも思う。

ギュウォンのそばを廻って
授業が終わるのを待って
バスに一緒に乗りたくて
何でも手伝ってやりたい。

なんだ?
俺の心、どうなってるんだ?

俺の中にギュウォンがしきりに流れ込んでいる。


sin9-7.jpg

“俺を好きでいること、やめるな”

もう自分の気持ちを知らないふりをするの止めようと思う。

“皆が走ってくの見た?”

ハハハと、手まで叩きながら笑うお前の姿。
花火がキレイだと明るく笑う姿がすごく綺麗で
お前ばかり見た。

なんの虚飾もなくにっこりと笑う純粋な笑顔ほど、幸せな姿がどこにあるだろうか。

その姿を俺のそばにだけ置いて、お前だけを見ていたいと、しきりに心が音を立てる。

ずっと前から心の中に根づいていたかのように
気持ちが飛び出して我慢ができない。

一度失った愛。
もう二度と始めたりしないと思っていた。

愛を失って彷徨する事がとても辛くて
あんな辛い事は二度としないと思っていた心が恥ずかしいが
もうどうしようもない。

境界なく、春の日差しのように俺にやって来て
俺の心を揺らす。

お前なら、

イ・ギュウォン、
お前なら、また始めてもいいと思うんだ。


“俺を好きでいること、やめるな”

そうやってお前に、自分の気持ちを伝えた。


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