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2011.08.22 自分でも知らないうちに(フォトエッセイ第3話)
シンの胸の内の第3話です。
今回もキャプなしなので、公式サイトと並べて見てくだされば分かりやすいかと。
どーぞー


公式サイトのフォトエッセイ3話



“代返ばれちゃった。反省文書いてこいって”

唇を突き出して、無愛想に放たれた言葉の中に不満があふれていた。


本当に俺の代返しに行ったのか?

馬鹿なやつ。

女子が男子の代返するなんて可能だと思ったのか?

初めて出来た奴隷を遊ばせておくのがもったいなくて言ったのに

本当に講義に行ったようだ。

マヌケだな…


おかげで俺まで反省文を書かなければいけなくなった。

面倒なことになったが、妙にこの状況が楽しい。

命令すればそのとおりに何でもやる

融通性ゼロのもどかしいお前をからかうのはなぜか楽しいみたいだ。

“使えない奴隷だな”

そんなこと一つまともに出来ないバカ。

睨んでいると思ったら案の定、

“なんて?途中でパンクしちゃえ!”

きつい声が背中の方から飛んできた。


そうだ。そうやって顔を赤くして怒ればこそ、からかう人が楽しいってもんだろう。

からかえばからかうほどに、パンパンのボールみたいに跳ねかえるお前。

本当に面白い。





今日父さんに会いました。

顔を見た途端冷やかに、なぜ来たのかと問うあなたに

ただ話しました。

“父さんに会いました。”

ただ一人、あなたにだけは

俺の心の中の話をしたいのです。

心が苦しいくらい、いつも占めていた恋しさが

少しだけ去った今日。



胸を満たすほどに、あふれる喜びを初めて分けあいたい人が

あなただから

あなたが嫌がると分かっていて、来てしまいました。


ただ誰かが隣で話しを聞いてくれたら、と思う時

最初に思い浮かぶのがあなただから…


あなたと俺の距離は果てしなく遠いけれど、

ただあなたに言いたかったんです。

長い長い間、胸に隠してきた

辛い話をあなたと分けあいたかったんです。

だから来たんです。






シン。よかったわね。

笑ってくれてありがとうございます。

あなたが俺の味方のようで

安心しました。


ただそれだけで十分です。

あなただ、というだけで…






反省文をきちんと書けなかったせいで、演劇の小道具部屋の掃除をしにきたが

この奴隷、掃除もせずに小道具を使って、一人で遊んでる。

くだらないと思って見ていたが

それなりに可愛いところもあるようだ。

無邪気に魔法使いのおばあさんの帽子をかぶって、首をかしげる姿は

小さい頃お芝居の遊びをしていた妹を見ているようだ。


口を出したついでに、あれこれさせてみると全部言うとおりにする。

バカみたいに。

ピエロの服を着たあいつも

お姫様のドレスを着たあいつも

バカみたいで、ちょっと可愛い。

こいつと一緒にいると何か初めて見るおもちゃみたいで、不思議で面白い。

ふいに浮かんだそんな感覚に、つとめて硬い態度で、気持ちを隠した。

“あ~つまらない”





バカみたいにあいつがまた転んだ。

あいつが転んだ瞬間に急に小道具部屋が真っ暗になった。

“どうなってるの?イ・シン、あんたそこにいるよね?”

怖がるあいつの声が俺を捜した。

小さな子供みたいに必死なところを見ると、すごく驚いたみたいで、安心させてやりたくなった。

“俺はここにいる。心配するな”

なぜかは分からないけど、そうしたかった。

また灯りがついた瞬・間。

“イ・シン~”

俺が傍にいて良かったという喜びが、俺を呼ぶ声に溢れていたようだ。


でも、あいつがなんでかすぐ目の前にいたんだ!

すぐ近くに感じたあいつの温かい息にハッと胸が高鳴った。

瞬間、後退った俺の目とあいつの目が合った。

目が合った瞬間。

ドキン!

心臓がはねた。

自分でも知らずのうちに。





キム・ソクヒョン監督が来て、100周年記念公演の演奏のため参加してくれと言う。

でも俺は特に興味がない。

イ・ギュウォン。バカな俺の奴隷は気持ちが傾いて真面目に聴いている。

ヒロインも出来るという言葉を信じてるいるのか目を輝かせている。

そんなこと夢にも思えないような分際で、何がヒロインなんだか。

ぶさいくなのに。

確実にバカだな。イ・ギュウォン。

でもあの演奏ならもっと聴きたいと思う。

俺の全身を満たした、あの美しい調べを、

新たな世界への、あの歓喜を、

もう一度聴けるチャンスになるのなら

お前がオーディションを受けるのに賛成だ。

お前は知らなくても、お前の音楽は認めてるから。






なんの言葉もいらない。

この瞬間。

俺たち二人。


やりとりする音楽が会話になった。



なぜこれまでいらっしゃらなかったんですか。

どれほど会いたかったか。

あなたのいない場所がどれほど寂しかったか。



ごめんな。

俺は揺れながら生きてきた過ぎた時間が恥ずかしくて、

訪ねることができなかったんだ。



会えたからいいんです。

いえ、今会えてよかったです。


あとで一人で泣かなくてもいいですから。

骨身にしみる後悔に胸を震わせなくてもいいんですから。


今俺たちが一緒で良かったです。






なんだ?

ギュウォンが友達と一緒に掲示板のまえでキャッキャッと騒いでいる。

何がそんなに楽しいのか、小さな子供みたいにピョンピョン跳ねながら喜んでいる。

透明で心の中が丸見えなあいつ。


多分100周年記念公演オーディションに合格したんだろう。


やたら、あいつが目にとまる。


あいつの声。

あいつの目つき。

ただ通りすぎることはない。

面倒にも…






興味がないことに無理やり呼びつけられて、本当にイヤだ。

あなたが監督だという権威一つで俺を動かそうと思わないでください。

人にやれと言われてやるのは本当に嫌なんです。

なのに。


あの人が。

そこに立っている。

一緒に仕事そするのだろうか。

そうしたらあの人の顔を毎日見ることが出来るのか?

来るなという言葉も、これ以上聞かずに会うことが出来るのか?


暗い練習室で一人泣くあなたを、こっそりと見なくても

明るい陽の下で思い切り、あなたを見ることができるってことか?

俺の心の片隅に

花が咲き始めた。





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